Bruce Springsteen: Remastered Vinyl Box Vol.1

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またしても遅ればせながら……。

 

RSDでバラ売り登場ということでThe Riverが気になってあれこれ見ていた所、Boxがディスカウント価格で売り出されているのを発見。ヨーロッパ方面から先日到着したので早速聞いてみた。

 

●第一印象
まずそのThe Riverだが、これは正直ずっこけた。

 

WLPとの比較でいうと、音の印象はまったく同じ。ヘッドフォンで聞いても同じ。
掲示板ではかなりよくなっている風なコメントが並んでいたのだが……。(あるいはそれはCDバージョンに関してだったのか)

 

ただし、1枚目ラストのタイトル曲だけはかなり違う。全体的に厚みが増した音。いいのかどうかは個人の趣味次第だが。

 

もしも既に過去のUS盤を持っているのなら、今回のThe Riverはスルーでいいかなと正直思う。

 

●第二印象
それ以外のアルバムに関して言うと、最大の驚きはNebraskaの曲数がいじられていたこと。
本来、A面6曲、B面4曲だが、これがA面5曲、B面5曲になっている!

 

つまり、A面が"Highway Patrol Man"で終わってしまい、B面が"Used Cars"からではなく、"State Trooper"から始まるという。

 

いいのか、これは?

 

まあ曲の移動により、A面は音質面で恩恵を受けることになるわけだが。
そういえば大昔、これをテープにダビングする際、A面6曲にこだわってわざわざ長めのテープを用意した記憶がある……。

 

そしてなぜかレコードレーベルは昔のまま。A面に6曲分、B面に4曲分のクレジットがある。
これはあかんね。


●ジャケ
些細なことかもしれないが、今回のBox収蔵盤のジャケにはバーコードが一切ない。
これはかなり気に入った。

 

またインナーなどが厚めの紙になっており、オリジナルよりも質が上がっている。
全てではないが写真の解像度というかピントもシャープになっており、またDarkness ...のジャケ写は色が飽和していなくてよい。

 

Nebraskaのインナーの写真もクオリティが上がっている。

 

逆にThe Riverの裏ジャケ写はホワイトが飛び気味。

 

●音の印象
The Riverはそもそもがデジタルミックスということでまあこれが限界なのか。

 

ワウなどを補正するプランジェント・システムを通した上でのハイレゾ音源を使用ということだったが、The River確認時点ではそういうわけでちょっとがっくり。Box購入が裏目にでたかと思ったのだが……。

 

その後、気を取り直して1枚目から順番に聞いていったわけだが、うーむ、いいんじゃなかろーか。w
(以前にも書いたが比較対象は1枚目がカナダ盤、2枚目はUS初期盤、3~5はWLP、6枚目はUS初期盤、7枚目はプロモのRL盤)

 

1枚目からして、今回の盤の音のクリアさ、透明感というか、すーっと流れてくるような音のスムーズさ、見通しの良さ、それと同時に音像の深さ、ライヴ感がかなり印象的。

 

プレスの質もよく、ノイズがほとんど入らない。それが“音の良さ”をさらに実感させてくれる要因にもなっている。
5作目を除き、これはどれも価値あるリマスターになっていると言えるのでは。

 

そして特に印象的なのが4作目、Darkness ...
"Badlands"の出だしのドラムからして、深みというかリアリティが別次元。
もはや過去の盤との比較にすらならない、かも。

 

これまでがAMラジオならこれはFM、これまでがmp3ならこれはハイレゾ、くらい違う。
お陰で歌詞もより明瞭に聞き取れたりして、ゆえにニュアンスや味わいがまた別のものになるという。

 

Born to Runはその団子状になったAM感が好きずきだと思われるのでなんとも言い難いが、個人的には買って損ではないと。たとえば、"Jungleland"の最後のストリングスの伸びやかさはこれまでの盤にはないもの。

 

... USAは正直よくわからん。あの時代の音ゆえのこの盤という面もあるので、上記に準じた音の方向性になったからといって何なのか、というね。個人的には、特に今回のを聞き込みたいという感じではなかった。今の所。