Bill Evans Trio: Waltz for Debby New OJC vs. APJ 009

●先に結論

The winner is APJ 009.

●その他諸々

方々から大きな期待を集める中登場したOJCの新シリーズ。初回のMiles/Workin'、Monk & Coltraneに続くリリースがEvansのWFD。その音質の印象についてはいつもの掲示板やYouTubeなどではほぼ一様に絶賛。

 

ということで期待感を持って聞いた第一印象だが、んー、テープおかしくないか? 明らかなドロップアウトがそこここにある。B面頭とか。とりあえず一聴した段階では、期待はずれ、がっかり感ありあり、といったところ。

 

でSH掲示板スレを見直してみると、WFDはテープダメージがかなりある、故にOneStepのリリース対象から外れた、などなどの情報履歴あり。うーむ、それは納得。例えば、B1のMy Romance では明らかにピアノがよたよたしている。つまりマスターテープの状態がそれほど良くはない、ということ。

 

また、ピアノに比してベースとドラムズ、特にハイハット音が前面にやや出過ぎ。トリオのバランス感がちょっとかな。これはKevin Grayのマスタリングの問題。

 

そして特にB面でピアノの音が濁る。こんなだったっけ?と思ってAP盤を聞いてみると、いや、そんなことはない。AP盤ではクリア。やはりマスターテープの劣化は事実かと。人気盤なので何度もリカットされその度にすり減って?しまったのかな。

 

というわけで、ネット上での絶賛評には素直には賛同しかねる。一方で上記の欠点をAP盤は全てクリア。故にAP盤が手元にある人はそちらで十分でしょう。それより古い元祖?OJC盤やオリジナル盤については、アウト・オヴ・マイ・リーチです。

 

で、次に出る予定のSunday atですが、こちらのマスターテープの状態はWFDに比して良好らしく、故に期待が持てます。

 

 

*ただし、盤をウェットクリーニングし、さらに3回くらい針を通したところ、だいぶ全体的な音の印象は改善された。もちろんドロップアウトや音揺れ等の欠点は消えないものの。

 

●発売元のCraftではデジタルダウンロード版を取り扱い中 だが日本でダウンロードできるのかはわからない。

https://craftrecordings.com/products/waltz-for-debby?variant=42343704658085