Eagles: The Long Run, US orig. vs JP orig. vinyl

 いまさらすぎる話題で恐縮。SHMFでも指摘されているが、The Long Run / Eaglesの日本盤はUSメタル原盤(fatherになるのかな)を使用しているということにいまさら気づき(オビにも書いてあるしw)、入手し、US盤と比較してみた。

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●見た目問題

 ご覧の通りなのだが、US盤がマット仕上げに対し日本盤はグロス仕様。ただ、これは日本初回盤の仕様なのか、80年1月プレス日本盤のジャケはUS盤そっくりのマット仕上げ。ジャケを輸入したのかと思い背文字を確認したが、普通にPrinted in Japanとあった。グロス仕様は初回だけ? マット仕上げの方が意図にかなっているとは思う(それがオリジナルなのだから言うまでもなかったw)。

 

●マトリクス

US: 5E-508 A II Mon STERLING TJ / 5E-508 B II Mon STERLING TJ

JP:  5E-508 A STERLING L-D-12 3 9-9 / 5E-508 B 2 L-D-10 3 STERLING TJ

*日本盤はさらに日本のレコード番号あり。

*日本盤B面は2に二重線がかかっている。訂正?

*これ以外にも例の英文がそれぞれにある。

*このUS盤はMonarchプレスかと。

 

●音問題

 方々で指摘されているように、日本盤のほうが音質面で上回っていると言っていいのでは。たとえが変だが、デジタルでいうところの16/44.1と24/96くらい違うように感じる。聴覚的に。そもそもだが(そしていつものことだが)日本盤のほうがフロアノイズのレベルが圧倒的に低い。奥行き感が深くより3D感あり、音の定義が明朝体ではなくゴシック体な感じ。比較するとだが、日本盤の臨場感は半端ない。

 わかりやすい違いが感じられるのが、"The Sad Cafe"のDavid Sanbornのアルトサックスの鳴り。日本盤はすごいね。サックスソロの最後のサスティーンが強烈に聞き手に迫る。Eaglesというバンドの終焉に手向けられた惜別、その最終楽章の最後、万感の思い(と勝手にこちらが感じているだけだが)が痛切に響く。US盤もデジタル版に比したら断然いいが、そこまで感情に訴えかけてくるほどではないな。

 しかし、原盤同じ(マスタリングはTJ)にしてこの違いか。Monarch…。往年の日本の工業製品の水準の高さは半端ないな(遠い目)。それが継続されていればThe Beatles in Mono(on vinyl, 2014)が英国カッティング日本プレスとかできたのに(いやそこは時代の流れとかだから別に技術水準が維持できなくなったとかいう話でもなく、いろいろ妄想すぎてさらに遠い目w)。

 してみると日本盤ではないが、The BeatlesUK盤同一マトでプレス年違いの音質差異もやはりそういうところから来ているのかなと(以前から思っていたが)ますます思えてくる。同一マトリクスであったとしても、メタル原盤からのプレーティング、Vinylの品質、プレスの質などで結果は聴覚的に気づくくらい変わると。うーむ。

 

●同じパターンのタイトル

 日本盤プレスに海外原盤を使用している他のタイトルというと(このページに辿りつくみなさんであれば既にご存知かと)、Led Zeppelin / Presence(オビに書いてある)、Neil Young / Tonight's the Nightあたりは必携? 一応上のSHMFページにまとめ投稿があり。