Crosby, Stills & Nash:LPとCD比較(Atlantic vs. AFゴールドCD)

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汚れが目立つジャケで恐縮ですが……。
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どうもAF盤がしっくりこない印象。
棚を探したらSo Farが出てきたので、聞いてみた。

比較する曲は引き続き"Heplessly Hoping"。

このLPでは2曲目。

ちなみにこの盤、ジャケは額縁のように箱押しになっているのでオリジナルかも。
しかしレーベルを見る限り、再発盤だね。

なのだが、音を聞いてみると意外にもかなりいけてる。

結論からいうと、tonalityはBarry盤に近い。というかほぼ同じ。
AF盤は、"Helplessly..."のイントロが押しが強くてギターが前面に押し出された印象。

そして前回も書いた通り、三声ボーカルがミドル帯域重視なのか、伸びに欠ける。
しかしこのLPでは、あるいはBarry盤以上に、高周波帯域のハーモニクスがきれいに響く感じ。
この音像を反映しているのはBarry盤だね。

そして(今更ながら)Vinylがこんなに良い音するとは予想外。

●ただし
B面最後にJudyが収録されているのでイントロを確認したところ、ギターの定位は移動しない。
Barry盤では少しだけ中央よりで鳴り始め、そこから左端へ移動する。
LPでは、その「最初に少しだけ中央より」の位置をずっとキープしているように聞こえた。
AF盤ではずっと左端のまま。

でLPでは、Judyのイントロギター、複数弦で鳴らしているのがよくわかる。
音質はふくよかで、耳に優しい。

AF盤では、大げさに言うと、これが単音に聞こえる。
そして押しが強い。大げさな印象で言えば、アイスピックのようでもある。

●マスターの劣化か?
ついでに気付いたのだが、CDの9曲目"Long Time Gone"のイントロ、AF盤ではよく聞くと右Chにチリ、チリ、とノイズが入る個所がある。
Barry盤にはない。

……とまあそんな感じで、LPの音を継承しているのはBarry盤です。
Barry盤で使われた1/2マスターはvinyl用のカッティングマスターだったのか。

AF盤に使ったオリジナルマスターテープは劣化して高周波帯域が落ちたのを補正したかな? というのが私の感想。
あるいは、波形を見る限りでは問題なさそうにも見えるので、全てはマスタリング時の判断か。