Who:Tommy SHM-SACD
1年弱前に発売されたTommyのSHM-SACDなり。(右下)
この冬、たぶん初回盤かもしくはそれにかなり近いドイツ盤(右上)が安価で手に入ったのでそれを聞いていたところ、今更ながらやっとこのアルバムに共鳴。
既に持っていた紙ジャケ盤はリミックスだったし、今ひとつ入り込めなかったのはその辺にも理由があったのかなと思いつつ、これまただいぶ前に入手していたオリジナルUK盤LP(マト1)(左)を聞いてみたら、ドイツ盤CDより断然、いい感じ。
ドイツ盤CDは音のクラリティやダイナミズムなどは申し分ないものの、UK盤LPと比べると、どうしても線の細さが気になる。それとややトレブリー。
ただし、ドイツ盤のトレブリーさが更に強調された印象の曲もある。
なぜかLPでいう2枚目の曲から、その傾向が強いように聞こえる。
なぜかLPでいう2枚目の曲から、その傾向が強いように聞こえる。
"Underture"の直後の"Do You Think It's Alright?"(つまり2枚目の1曲目)でそれがはっきり感じ取れる。続く、“Pinball Wizard”が一番きついかも。
個人的にこのアルバムのベストトラックと思っている"Go To The Mirror!"では、ややその傾向がおだやかになるものの、今度は低~中音域にどこか物足りなさが残る。
ここでLPと比較するとそれがいっそう顕著に。
そしてそれは最終曲"We're Not Gonna Take It"でも同じ。
そしてそれは最終曲"We're Not Gonna Take It"でも同じ。
そのせいか、ドイツ盤CDだと最後の"Listening to you I get the music ..."から盛り上がりが最高潮に達する部分、このSHM-SACDでは、なんとなくある程度の緊張感のままなりゆきで終わってしまうような感じ。同じテンションがずっと続くというか。
(ジャケ表)
(ジャケ裏)
ということで、今の所、このSHM-SACDに関しては以前のAjaやWho's Nextで感じた圧倒的な音質、というのとはちょっと違うかなという印象。
もしこれがオリジナルマスターの音だとするなら、オリジナル盤LPのマスタリングはかなりがんばっていると言えると思うし、ある意味、ドイツ盤CDも良い感じに仕上がってはいるかな。
しかも、ドイツ盤2枚組CDが中古でSHM-SACDの新品価格の7分の1、中古価格の6分の1だったことを考えると更に微妙。とりあえずこのアルバムを楽しみたいだけなら、オリジナルミックスのCDをお勧めします。
そこで……、トレブルを絞りつつ、ベースをほんのすこしだけ強めにしてみたところ、、、劇的に印象が変わったのであった。
やはり"Pincall Wizard"が一番難儀する曲ではあるものの、そこに合わせて微妙な調整を試みたところ、かなり良い感じに落ち着いた。
危うくフライングソーサーになりかけたこのディスクだが、これで当分は楽しんでいらるかな。よかったよかった。^^