The Beach Boys: Regarding songs from Surf's Up album on Ten Years of Harmony MQA CD
なかなかめんどうな比較であることよ。アルバムSurf's Upから、比較のために1曲となるとやはり"Surf's Up"かなと思いつつこのMQACDを聞いていてふと思い出した。たしか掲示板にdirty versionとclean versionの話があったよなと。
曲の後半、以下の歌詞の部分、左チャンネルにテープの消し残りのようなぼわとっしたノイズというか雑音のようなものが。これはUSオリジナルLPからして入っている。これがdirtyで。いくつかのデジタル音源にはこれがなく、それがclean version、と便宜上。
Surf's Up
Aboard a tidal wave
Come about hard and join
The young and often spring you gave
I heard the word
Wonderful thing
A children's song
掲示板の情報を基に目の前にあるCD音源を確認したところ、2000年盤はclean。で肝心の今回のMQACD収録もclean。なので比較するならこの2つかと。
いや〜、やっぱり自分で波形だしてみると納得感というか発見感が違う。ここまで違いが明確とは予想せず。2000 Remasterは曲の最後でじゃっかんクリッピングしているのかしていないのか。2021 MQAはフラットトランスファーした後、いじってませんみたいなことが解説のブックレットの最後に書いてあったが、それを裏付けるような波形。
今回のMQA CD"Surf's Up"を聞いていて感じるのは、音像の透明感、奥行き感の増大、ディテールの明確さ、高音域のクリアネス、しかも心地よいバランス感、かな。まあいつものごとく曲によって評価は変わるのだが、とりあえずこの曲に関しては今回のこれはいいんじゃないかな〜と。
ただし自分用メモとして書いておくと(アルバムSurf's Upからの曲以外の)他の曲は、なんだろな、どうしてこういう音像になるのか、うーん、という。最初の印象としては妙にトレブリー。アルバムSunflowerからの曲は低音あるのかなというと大げさだがそのくらい音が薄い。もともとその傾向があると言えばあると個人的には思うが、そこはAP SACDでとてもよくバランスされているわけで。
そして音がでかい。CD2の"Darlin'"、"Come Go with Me"など、思わず音量ノブを絞ってしまうレベル。なのにSFからの曲は(波形の通り)そうではないという不思議。御大がいつも説明しているコンピレーション盤ならではのレベルマッチング作業がな、っていうことなんでしょうか。となると、今回の音源はTen Years of Harmonyのマスターテープ由来ではなく、個々の曲それぞれのマスター由来なのかなとふと。