Beatles:Mono盤レコード比較<Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band>

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9月のビートルズのモノCDリリースに備えて(?)、手持ちのSgt, Pepper'sを聞き比べてみた。イギリスオリジナルがあくまで王道とは言え、日本盤も評判がいいので、その辺どうなのか、と。

以下、3枚を聞き比べてみた。

写真の
1 上  :UKオリジナル盤モノ/PMC7207/マト-1
2 真ん中:UK82年再発モノ/PMC7207/マト-1
3 下  :Jp82年赤盤モノ/EAS-70137/YEX-637-M 1S

●A面1曲目で比較
まず1。A面1曲目出だしのざわめきの後、どーんと音の固まりが響く。おぉ、オリジナル~というとりあえず意味のない感動を覚える。曲の後半、ポールのシャウトとギターが凄まじい。うーん、いい感じだ。ただし、プレス時期が古いレコなのでやはりチリノイズはそこかしこに入る。

次に2を飛ばして3。んん? 想像以上に良い。モノ盤らしい音の固まり感というか質量感がありつつ、解像度が高く、それぞれのパートが鮮明。

2を聞いてみる。ああ、これは1とほぼ同じ印象だが、盤がきれいな分、音が鮮明。マトリックスが同じなのだから、基本は同じ。マト1をきれいな音で聞きたいのなら、この盤がいいかも。

●A面6曲目で比較
今度はもっと静かなA6:She's Leaving Homeを聞いてみる。

1は……、んんん? こうして改めて聞いてみると、弦楽器の音がきつい。ポールの声もつぶれている。これはあきらかにコンプレッションされている音。あるいはEQで思いっきりトレブル側に振っている音。こんなんだったけかなぁ、という感じ。

2は、1と基本的に同じだが、よく比べてみると1よりは音のきつさが緩和されている。ということは1は音溝のダメージも影響しているのか。あるいはスタンパーの違い?

さて、3だが、いやはや、この曲に関して言えば明らかにこの盤がベスト。弦楽器の音に耳を傾けるとすぐに分かるが、音域が広く、弦の低音がよりふくよかに自然な感じで響いてくる。またポールの声もそれほどつぶれていないし、耳ざわりでもない。いつの間にか曲の世界に浸っている自分がいたりする。

●結論
それぞれの曲にもよると思うので微妙だが、オーディオフィル的な意味で言えば、すくなくともA6に関して言えば3がベスト。1はなんとなく音が一番太いように思えなくもないが、プラシーボの可能性も否定できない。2のUK再発盤は見た目の印象(レーベルがしょぼいので音もしょぼそうに思えてしまう)より遥かに良好だった。

さて、9月のモノ盤CDはどうなるか。基本的にマスターテープの音をいじらずにフラットにデジタル化したということだが果たして……。モノ盤レコードの音と比べてどんな感じに仕上がっているのか、楽しみに待ちたい。