Beatles:Let It Be/リマスターCDと比較

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(ジャケ写の色調は、旧盤の方がオリジナルに近い、ですね)




ビートルズのリマスター、とりあえず昨日まではSgtのモノ盤聞いたり、CD内袋買いに行ったり(輸入盤Stereoボックス用に)……。今日はなんとなくLet It Beを聞き込んでみた。

リマスターCDと比較したのは:
旧CD
UKオリジナルLP(2U/2U)
UK再発LP(マト4/5)
UKデジタルマスターLP
UK青盤LP(マト1)

音のフィデリティが向上しているのはもはや言わずもがな。個人的に一番気になったのはAcross the UniverseとLet It Be。特にAcross~は記憶している音よりもかなり聞きやすい。

そこで曲長を計測してみると、2U盤が一番ゆっくりな感じ。リマスター盤より5~6秒長かった。

ただしこれはプレーヤーの回転ムラなどの問題もあるので、私固有の問題の可能性もあり。ただ、遥か昔の音の記憶もやはり“かったるい”ものだったりするので、あるいは……。【その後、ターンテーブルをチェックし、ベルトを交換。LP版アクロス~の曲長は約3分42秒となり、CDバージョンとほぼ同じに改善された。お手入れは重要、ってことやね】

●それぞれの魅力
肝心の音だが、これはもう聞く人の好みの範疇。リマスターと旧CDではリマスターの方が音の分離というか鮮明度、場の空気感なども上。Across...はリマスターが一番聞きやすかった。LPバージョンは眠くなるぅ~。

逆にLet It Beは、LPの方が好き。特に間奏のジョージのギターソロ以降の盛り上がり感、音の一体感はLPの方が凄い。やっぱりそれだけLPの方がコンプレッションがかかっているのかな? ただし、リマスターではその間奏直前のキーボード(右チャンネル)の響きというか奥行き感が今までにないくらい儚げに聞こえて驚いた。

この辺の音像はコンプレッションのかかったLPの音と、マイルドなリミッター/コンプレッション/EQ処理しかしていない、という今回のリマスターとの違いが一番明瞭に感じられる部分かも。

ついでに4種類のLP同士の比較では、まあ、似たり寄ったりだが、やっぱり選ぶなら2Uか(青盤のLIBはバージョンが違う)。

●細かな部分で気づいたこと
それと瑣末なことだが、リマスターCDではLIBの0:09のドラムスティックの音らしき音が消えている。また、Dig Itとのつなぎ目にも今まではかすかにドラムスティックが当たるような音が聞こえたが、これも消えている。

旧CDではLIBを頭出しすると、一瞬テープノイズ音が入り、その直後にピアノのイントロが始まるが、リマスターでは、頭出し直後からノイズ音なしですぐにイントロが始まる(インデックスの位置の違いかな?)。

後半の曲にももっと聞き込めば似たような部分が見つかるかも。

それと、リマスターでは、曲間のメンバーの会話がより明瞭に聞こえるのが嬉しい。

発売日の9日当日から少しずつ聞き始めたが、どうもアルバム単位というよりも曲単位で音の質感が今までと違って聞こえたり、そうでもなかったりという印象。なので、それなりの結論にたどり着くまでにはかなり時間がかかるかな、と。

●Let It Beというアルバムについて
久しぶりにアルバムLet It Beを通して聞いたが、全体的なコンセプトの面で、制作当初からの“一発録り”、つまり1stと同じような手法で作ろうという姿勢がある一方で、最後にプロダクションをまかされたスペクター個人の解釈が並行して存在していることを改めて感じさせられた。よってダブルスタンダードのアルバムになっている、と。今更だが。

よりクリアな音で鳴るOne After 909は、確かにアルバムPlease Please Meを彷彿とさせるし、これを聞いていると、一発録りのノリというかコンセプトも十分理解できるし堪能もできる。今更ながら、このアルバムの新たな魅力を見つけた感じ。その意味ではリマスターに感謝。

で、そうなると、他の曲にオーケストレーションを施したスペクターのアレンジにポールが激怒したという話もうなずけるわけだが……、まあねぇ、しょうがないよねぇ。