Teenage Fanclub: Grand Prix remastered vinyl edition; comparison with the original pressing

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(↑ステッカーまで再現。にやりとさせられるね)

Teenage Fanclubの過去作(BandwagonesqueからHowdyまで)がremaster版vinylで登場。各アルバムにおまけで7inch1シングルが付いてくるということで食指が動いたものの、しばし様子見。すると掲示板でsounds goodというレビューが。ただしGrand Prixに関しては、congested(音の分離がいまいち)でオリ盤の方がいいかも、という投稿も。だが個人的に、GPのオリ盤はむしろコンプが効き過ぎていて、つまり、トップエンドが強調されて過ぎていて、そこがなんとかならないかと長年感じていた。音の印象は聞き手の再生システムとその人の好みで変わる。それを踏まえた上で、「分離がイマイチ」ということは、トップエンド強調気味のEQとコンプレッションが弱めになったのではと解釈。結果、買って大正解だった。

リマスター盤ではトップエンドのシャリシャリ感が弱まり、ミッドレンジの実体感が得られるようになった。1曲目から違いは明白だが、たとえばA7の"Tears"のピアノ、ストリングスの生音感の向上具合にそれがポジティブに表れている。このマスタリングの方向性の違いはかなり大きな要素と個人的には感じるし、大歓迎でもある。そしてこの方向のマスタリングがダウンロードカードから入手できるmp3版でも同じなのがまたうれしい。(あくまで個人の感想ですよ)

それと手元にあるオリ盤はややノイズが気になる箇所があるが、リマスター盤ではそれもほぼ皆無。
ただし、フロアノイズは感じる。とはいえ、曲がほぼ間断なく再生されるのでほぼ無問題。

一方でおまけのシングルの内容はオリ盤とは異なる。
オリ盤:
https://www.discogs.com/Teenage-Fanclub-Grand-Prix/release/987339
リマスター盤:
Side A: Every step is a way through
Side One: Some people try to fuck with you

上記の通り、片面がSide Aでもう片面がSide Oneという表記。両A面ということか。
Side Oneの曲は当時出たCDシングルに収録されていたかと。

あとはレーベルの色が異なる。
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それにしても、オリジナルリリースから23年か。
版権がSony Musicに移ったから実現したリマスター盤なのかどうかは知らないが、いろいろと感慨深いものは確かにある。

で、これと同じ意味でSongs from Northern Britainリマスター盤もお勧めできる。
これもリマスター効果が顕著かと。最初1曲目を耳にした時は、大げさだが、別曲というかリミックスかと感じた。ミッドレンジの音の密度が増した印象で、オリジナル盤よりもロックっぽくなったというか、そんな感じがする。

一方で、Howdyは疑問。これはどうなんだろうか。
オリジナルマスターの音質がこうなのか。
正直、CD音源を無理やりVinylで良い音に聞かせようとしているような印象。音の密度がないのに、トップエンド強調気味。そのせいか音量バランスが崩れていないか、これは。(あるいはトップエンドを気にしたマスタリングのせいで、すかすか感が生じたか)通して聞いていると、音量を上げたくなったり、絞りたくなったりする。マスタリングにどこか無理矢理感がある。フロアノイズがGrand Prixより大きめに聞こえるし。

Thirteenは、掲示板によれば、レコードのプレスの品質にやや難があると。
このタイトルに関しては、オリ盤に特に残念感はないので、しばらくほうっておきたい。

Bandwagonesqueは未聴。