Beatles:MMTリマスター盤LPは“買い”だろうなぁ

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なぜか“Baby You're a Rich Man”のレーベル上のクレジットがGeorge HarrisonになっているリマスターLPのMagical Mystery Tour。

買いました、聞きました、ハマりました。

B面のSFFですが、これは音質的にもマスタリング的にも――まあなんでもいいのですが――最高レベルの仕上がりじゃないでしょうか。

いちおうドイツHorzu盤MMTと聞き比べもしました。
(なぜこの盤かはファンの方ならご存知のはずなので端折ります。)

確かにHorzu盤は良いです。最高かもしれないです。
個人的にもMMTならこの盤だと思いますしね。
当然ながら、今回のリマスター盤とはやはり音が違います。

しかし、甲乙つけ難いです、これは。
どちらも良い。素晴らしく良い。
何が素晴らしいか、というと、曲のハイライトがしっかり聞き手に伝わるマスタリングになっている点。

つまり、ここ、“No one I think is in my tree, I mean it must be high or low.”
――まあなんという赤裸々なレノンの現状認識の曝露か、というね。

ここへの持っていき方と、直後に右チャンネルからかぶさってくるチェロの低音の押し出し感、樹を短刀でズバッ、ズバッと削り取るような(ドラムの?)逆回転の音、これらによりいっそう際立つレノンの孤独感、寂寥感、その痛々しさ、同時に感じる意志の強さ、冷徹さ、そうしたものがこれほどまでに明白に伝わってくる盤は他にないんじゃないかな。

UK青盤の-1も良いけど、Horzu盤に比べると(比べると、ね)面白みがないややソリッドすぎる仕上がり。
今回のリマスター盤は、そのHorzu盤とは違う。なのに、良い。

リミッティングなしの今回の盤は、やっぱり全部揃える価値があるのかもなぁ。(ただしEU盤で)


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いつもの掲示板では音源が24/96ではなく24/44.1だったことに不満の声続出なんですけど、なんというか、まずは実際の盤を聞いてみてからにしたら~と思う。実際、Spek分析したグラフによると20khzより上の周波数帯域まで音が出ていたりもする。これについてはSean Mageeも理由は分からんが……、と言っていた。要は、カートリッジ含む再生システムの音ということなんだけど、同じシステムで再生したCDソースの盤の場合、20khz辺りでスパッと切れているグラフになるのもある。なので謎。

で、実際に今回の盤と昔のフルアナログ盤を聞き比べてみると、私個人の聴覚上は、音の密度は変わらないというか、もしかして今回の方が良いか? と思えるくらいだったりする。

それと過去の盤はリミッターにプラスしてEQで高音域がけっこう足されているのかなとも思えてきた。
Mageeは、「今回のリマスター盤LPは今まで以上にマスターテープの音に近い」、とも述べている。

あーだけど、これでこのリマスター盤全部そろえた後に、USBでリミッティングなしの24/44.1が出たらちょっと泣くなぁ。^^;