Doors:ファーストのマスターテープは既に喪失


ドアーズの現在のマネージャー、Jeff Jampolによれば、ドアーズのファーストアルバムのマスターテープは少なくとも10年以上前に喪失している、と。

そして今日、(これを受けてかどうかは分からないが)DCC時代にドアーズをリマスタリングしたスティーブが経緯を説明。

それによれば、1992年の時点でマスターテープはぼろぼろの状態。DCC用にぎりぎりなんとか使うため、15ipsでコピーを製作。この新コピーマスターに修復作業を行い、LP用ラッカーをカッティングした。
そしてこの時の15ipsテープは現在ドアーズが所有している。

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↑このDCCのCD用には劣化したマスターテープからデジタルトランスファーを製作し、そのデジタルデータに対し、かなりの修復作業を行った、と。

4トラックのセッションマスターは健在。ただし、こちらもあれこれ劣化が見られる状態。

磁性体がボロボロと剥がれ落ちたマスターテープには、ダニー・シュガーマンにより“お葬式”が行われたと。

●リミックスは必然だった?
となると、1999年のBGリマスタリングのCube Boxでファースト中の少なくとも2曲が(一種の)リミックス版になったのは必然だったのかも。もしかしたら全曲リミックスされていたのか? との疑問もわく。

そして2007年のPerception Boxの際、CDがリマスタリングされず99年リマスターをそのまま使ったことにも納得がいく。

そして2008年のRhinoリマスターLPのファーストの音が酷かったことにも納得。

では今回発表された45rpmとSACDの音源はどうなるのか、だが、アナログマスターにこだわるのなら、92年DCC製作のダブマスターを使わざるをえまい。なのでこれは飛び付き買い禁止だね。DCCと比較してどの程度のクオリティアップを果たせるのか分からないので。

●サードアルバムも危ない
更にスティーブの発言によれば、サードアルバム“Waiting for the Sun”のマスターテープも所々伸びたりしているらしい。なので、これもそのままでは使えない。デジタルに落とせば楽に修正できる問題らしいが、このマスターから直接ラッカーを切るとなると難儀するはず、と。

つまりSACD化は比較的問題なくいきそうだが、45rpmLPはどうかと。
勝手な憶測だが、アナログをPCMに落として、そこで修復し、それをDSDコンバート、そこからSACDとラッカーを作る、という流れもありえそう。その場合、当然LPはデジタル音源になる。

●買いはどれか?
と考えると、残るはStrange Days、Soft Parade、Morrison Hotel、L.A.Womanの4枚。
まあどれかと言われれば、真っ先に買うべきはSDかLAWになるか。

しかしファーストとサードがダメでセカンドだけがokというのも気になる。
確かRhino盤のとき、セカンドのモノ盤が製作できなかったのはモノマスターが使い物にならない状態になっているから、という話をどこかで読んだ気がするのだが……。

ならば、リスクをなるべく避けるんだったらまずはLAWかな? でもLAWはPerception Box以前にDVD-Aになっているんだよね。そしてSPとMHはSACD化されない、と。

悩ましい……。