Lotus:ロータス・ルノーは何処へ向かっているのか? その3(F1)

昨日の続きです。


<その3>

PW:それで今は、トニー・フェルナンデス及び彼のパートナーとはどういう関係なのですか?
DH:2009年に初めてトニーから話を持ちかけられた時、私たちはまず、プロトンに私との契約を持ちかけることにしたんだ。でも、プロトンはその契約を蹴った。こちらからは敬意を払ったのに、彼らはそうじゃなかった。それでトニーと真剣な交渉に入ったところ、――これが事の真相を如実に表していると思うんだけど――グループ・ロータスプロトンは必死になって何度も私との交渉を再開させようとした。でも、私たちに何の所有権もないのだとしたら、どうしてそもそも彼らはそんなことをするんだい?

私は彼らに「あなたたちはチャンスを台無しにしたんですよ」と伝えた。まあ、とにかく、その頃にはもうトニーから、彼らとは交渉を再開しないように頼まれていたしね。トニーは私に、公正かつ理にかなった契約を私と結ぶ、と約束した。それから、誰かをだますためにF1に進出するのではない、とね。彼は私と契約を結ばなければならないと分かっていた。なぜなら、チーム・ロータスをF1に復活させるための権利を持っているのは、グループ・ロータスプロトンではなく、私たちなんだからね。また彼は長年にわたって私や私以外の多くの人たちがチーム・ロータスの命をつなぎ、名を汚さないように多大な努力をしてきたことを、しっかり認識してくれた。そうした背景とトニーの真剣さを踏まえた上で、私はプロトンに「あなた方はチャンスを逃した」と伝えた。いずれにせよ、彼らにはこれについて考える時間が13年もあったんだからね。それは十分フェアな時間だったと思う。

PW:では、その時期にプロトンはあなたと交渉しようとしたわけですね?
DH:そう。最初の段階で私は彼らに同じような約束を提示したが、短期間のうちにそれは徒労に終わった。そしてそれが現在、トニー+彼のパートナー+私との間に横たわっている問題の根源になっているんだ。先日、向こう側の弁護士が、私に対して法的措置を講じると脅しをかけてきた。第三者による理不尽かつ根拠に乏しい申し立てを根拠にね。私はその申し立てに真っ向から反論しているし、当然ながら、彼らが裁判へと持ち込みたいのなら私はトニーたちを擁護する。全てが誤解に基づくものであって、すぐに混乱が治まると私は確信しているが、しかし、なぜこんなことが起こったのか、私にはまったくわけがわからないままなんだ。私は全力を尽くしてあらゆる面で彼らをサポートしてきたし、彼らに相当な額のスポンサーも持ち込んであげた。だからこれは顧客と法律家の間で起こった単純な誤解だったといずれ分かるはずだ。あるいは、それと同じように何ら悪意を含まない形で、この事態について説明がなされると思っている。

私は同意事項をしっかりと遵守してきたし、契約上自分がやるべきことはしっかりとやり遂げている。これについてはトニーも素直に認めているし、私にインタビューしようとしたジャーナリストたちも証言してくれるだろう。私としては、これ以上の衝突や意味のない法的措置はうんざりだね。だが、私は人生の16年間を正当な権利を守るために費やしてきたし、最後は適切な形になるはずだ。シンガポールを前にして、私は自分の人生のその章をようやく過去のものにできると楽しみにしていたんだ。でも、名誉と品位と正当性のために立ち上がって闘わなければならないのなら、私は再びそうするつもりだ。なぜなら、金や権力よりもそれこそが遥かに重要なことだからね。

<その4に続く>

時間がないので、今日はここまで~