Lotus:ロータス・ルノーは何処へ向かっているのか? その4(F1)

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トニー・フェルナンデスとデイビッド・ハント(右)Team Lotusのロゴがまぶしい。
http://www.auto123.com/より)

最終パートです。

<その4>
PW:現在の“ロータス・レーシング”F1に、これから何が起こると思いますか?
DH:トニーと彼のパートナーたちが、(ロータスの名称を)あきらめてしまったら、本当に酷いことになるだろう。彼らは既に世界に対し、チーム・ロータスのブランドに心底本気でコミットしていることを表明しているし、私にもそれを確約している。トニーは子どもの頃から(ロータスの)ファンで、これは彼にとっては夢が現実になったようなものなんだ。ロータスへのあらゆる思いを彼は語ってくれたし、もしそれがなかったなら、私は彼とビジネスなどしていなかっただろう。

だが、彼らは一番最初のハードルの段階であきらめてしまいそうにも思える。最初から存在に気づいていた脅しに対してね。しかもその最初の脅しは、見た目上はトニーと同じ側にいる人間からだったんだ。私は彼らが屈しないことを心から願っているし、この数日間、トニーが私に「最後まで裁判で闘う」と再度確約してくれたことで、私はほっとした気持ちでいる。クアラルンプールの舞台裏の政治駆け引きによってチーム・ロータス(の権利)が差し押さえられてしまったなら、私は落胆と苦々しさと、そして激しい怒りを覚えるだろう。F1とは無関係の商業的、あるいは政治的な形でプレッシャーがかけられたりしたらね。

私の目から見れば、これは要するに誰がメンツを失うのか、という問題なんだ。それは、突拍子もない笑える主張を続けているプロトンとグループ・ロータスのボスたちなのか、それともチーム・ロータスのブランドを復活させ、かつての栄光へと再びロータスを導こうと本気で取り組んでいるトニーとそのパートナーたちなのか、というね。私のマレーシア文化の理解によれば、どちらの側も、場合によっては完全にメンツを失う可能性がある。

それと、もしも今後トニーとディンとナザが寝返ったとしたなら、それは彼らが私とファンのみんなをはじめ、参戦権を与えたF1権力者たちにも誠意を欠いていたということになる。それは同時に、チーム・ロータスの管財人としての私のキャリアの汚点にもなるだろう。その場合、情熱も真剣さもなく本気でもなかった人間に、私はロータスの権利を売ってしまったことになるからね。私はずっと長い間、そうしたことを避けようと努めてきたんだ。

それから、トニーはノーフォークにいるスタッフに対しての責任も忘れていないと私は確信している。スタッフの多くは、チームに加わるために引っ越してこなければならなかったんだし、それにほぼ全員が「自分はロータスF1プロジェクトに加わるんだ」と信じて、チームに加入したことは間違いないと思う。彼らは“チーム・チューン”のために仕事をしたくてノーフォークに来たんじゃない。

それにファンの存在もある。彼らの多くはチーム・ロータスの復活を16年も待ち続けてきた。もしもチーム・ロータスが今後はプロトンの傘下に収まるなんて発表されたら、世界中にいる本物のロータス/チーム・ロータスのファンのみんなはらわたが煮えくり返る思いをするだろうことも、各方面の声を聞いている私には分かっている。それは、筋金入りのロータスF1ファン全員の希望を打ち砕く最後のとどめになってしまうだろう。

PW:非常に苛立たしい状況ですね。この状況を解決できる現実的な方法が何かあるでしょうか?
DH:できることなら、私は喜んでチーム・ロータスの管財権を取り戻したいと思うし、グループ・ロータスプロトンがどんな行動を起こそうと、これを守るつもりでいる。グループ・ロータスだろうとプロトンだろうと、私には恐れるものなど何もないし、法的立場についても心底自信がある。(その場合)トニーは、チーム・ロータスとしてレースするライセンスを手にできるだろう。もしそうなったなら、法的なゴタゴタには私が対処し、一方でトニーはコース上で成績を残す事に専念し、ファンはコリン・チャップマンがF1に残した遺産の真のDNAを目にできることだろう。つまるところ、私にはグループ・ロータスプロトンの行為に関して16年分の知識があるわけで、したがって彼らのどんな主張にも対抗できる最適の人間が私なんだ。あるいは、私たちの方から彼らに対して1つか2つくらいは、何か訴えることだってできるかもしれないしね。

<終わり>


David Hunt氏の経歴。イギリスF3でセナやブランドルとレースした経験もある。F1ではベネトンをテストしている。
http://en.wikipedia.org/wiki/David_Hunt_%28racer%29