Lotus:ロータス・ルノーは何処へ向かっているのか? その2(F1)

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LOTUS Racingのサイトには来シーズン用の黒金のカラーリングのバリエーションが載っているが、既にフェルナンデスはtwitterにて、「やっぱり緑と黄色も悪くない」と発言。


<その2>

PW:その通りですね。1978年暮れに私がカルロス・ロイテマン代理人としてコリン・チャップマンと交渉した際、契約書には何ひとつとしてロータス・カーズやグループと関係した部分がなかったですから。では、プロトンがグループ・ロータスを買収した際、何が起きたのでしょう?

DH:状況が変わったのはその時だ。1996年暮れに彼らがグループ・ロータスを買収した際、その発表会のためにマレーシアから要人が大勢駆けつけた。ところが、新たに手に入れた資産に実はF1のレースチームが含まれていないことを知って、彼らはみんな驚愕してしまった。これは例えばタワーブリッジを買ったと思っていたアメリカ人に実際に届けられたのは古いロンドンブリッジだけだった、みたいなことと同じだ。マレーシアの面々は、契約書の精査を怠っていたんだ。それで私はプロトン会長に会うべくクアラルンプールへ飛び、そしてなんとかしてチーム・ロータスをF1に復活させたいと話した。その1年前にマレーシアの首相に送付した“マレーシア・チーム・ロータス”というプロジェクトの提案内容を説明してね。会長からは、その提案書のコピー1部を彼に、そしてもう1部をグループ・ロータスに送るよう依頼された。私は喜んでそれに従った。現地を発った際、私は「彼らはこのプロジェクトにかなり関心があり、恐らく、取締役会で検討するだろう」という感触を得ていた。

だが、彼らと友好的に話をしたのはそれが最後になった。その後、彼らは私たちのトレードマークに対し何度も商標権裁判で争い、その度に何ら得るものなく終わるということを繰り返した。彼らは力づくで私たちにロゴを変えさせようとした。「グループ・ロータスの取締役会としては、ロータス・ブランドにとってF1はまったく利益にならないと考えている」、と言ってね。彼らはチーム・ロータスの歴史をパブリシティの材料にしたほか、ウェブサイトでもそれをうたって、まるでそれが彼らのものであるかのように振る舞った。それなのに、我々の所有権に対しては、私的にも公的にも裁判所でも、一度も異議を唱えなかったんだ。13年もの間、この所有権に異議申し立てしなかった彼らが、所有権が別のマレーシア人の手に渡ったわずか3日後にあのような異常な声明を出すというのは、実に興味深い話だと思う。

はっきりさせておこう。グループ・ロータスがこれまでF1でレースしたことなど一度もない。へゼルにあるプロトンの建物には新たに(ロータスの)壁画が登場したばかりだが、しかし、彼らにはF1世界選手権のタイトルなど1つもないし、グランプリでの優勝もポールポジションもなければ、歴史上、彼らがレースに参加したことすらないんだ。彼らの主張はとにかくバカバカしいものだ。それはたとえば、私がエランやエスプリやヨーロッパなど、ロータス・ロードカーの長い歴史を継承する新しいスポーツタイプのロードカーをチーム・ロータスから発表するようなものだね。そんなことをしたら私という存在は消えてなくなるだろう。そんな主張はお笑いでしかないし、もしもグループからの告訴に対抗しようものなら、チーム・ロータスは法定で消滅してしまうはずだ。私としては、今イギリス高裁で進行中の裁判において、恐らくそれと同じことがグループ・ロータスの身に起こるはずだと思っている。また、彼らはこのことを私同様熟知しているはずで、今私たちを批判しているのはそれが理由だろう。彼らとしては、裁判所の聴聞会が開かれる前に、“マレーシア流のやり方”でチーム・ロータスの所有権を自分たちに有利な形で手にしてしまえる可能性に賭けているのだと思う。

過去16年にわたり私が統括してきた期間中、複数の法律事務所に何度もチーム・ロータスの法的権利を精査させたが、私たちの権利に穴があるような部分は何もなかった。少なくともトニーの弁護士に会うまではね。ただし、それはまた別の話だ。ここで言いたいのは、もしグループ・ロータスが高裁での裁判に勝てるとしたなら、それは彼らが判事を説得して白を黒だと言わせることができた場合のみだ。あるいは大勢の弁護士たちが今まで一度も見つけられなかったような新しい法的解釈を発見できれば別だろうけどね。

グループ・ロータスプロトンには、私と交渉する時間が13年もあったんだ。だがその間ずっと彼らは私の“マレーシア・チーム・ロータス”の提案を無視し続けた。その元々の内容は今の“1マレーシア”のアプローチにかなり近いものだったのにね。だが彼らはチーム・ロータスと兄弟企業として手を組んで一緒に仕事をする代わりに、チーム・ロータスに損害を加え、あるいは破壊し、それによってチーム・ロータスのブランドとロゴとアイデンティティと歴史を奪おうとしている。一銭も支払わずにそれを利用したいがためにね。そしてできれば誰からも気づかれないようにやろうとしているわけだ。だが彼らは私を阻止できなかったし、また、トニーと彼のパートナーは、既に私がずっと主張してきたことを証明済みだ。つまり、F1界はチーム・ロータスがスターティンググリッドに戻ることを歓迎しており、ロータスは非常に価値のあるブランドだということだ。プロトンとグループ・ロータスはまるで駄々っ子のように振る舞い続け、公園にいるいじめっ子みたいにトニーたちからあめ玉を奪おうとしているわけだ。私が権利を持っていた頃、彼らは敢えてそんなことはしなかった。というのは、イギリスの裁判で彼らは常に負けていたからね。それに私はどんな政治力も通用しない立場の人間だから。トニーとディンとナザ、それにロータス・レーシングのスタッフは、その権利を奪われてしかるべき立場にはない。

<その3に続く>