Beatles:A Day in the Lifeの謎?
超今更なネタですが。。。
ビートルズのアルバムSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandの最終曲、A Day in the Lifeのミドルセクション、ポールのパートの直後の「ア~、アーアーアーーー……」を歌っているのは誰なのか、という、そういう話題。
個人的にはレコードを聴く限り、これはジョン。
しかし近年のLoveで5.1chが出たり、4トラックマスター音源が流出したりした結果、ここを歌っているのはポールではないか、という声がかなりの数、挙ってきたらしい。
で遅ればせながらYouTubeで発見した4トラックのボーカルパートが上。
いや~~~~、これを聞く限りでは、何度聞いてもポールに聞こえる。
ポールのパートを録音する際、4トラックに既に録音済みのジョンの「ア~」のパートを消さないようにするため、ガイドボーカルから大きく逸脱しないで歌ってくれるよう、テレコ操作エンジニアがエメリック経由でポールに一言お願いした、とある。
つまり、ジョンの「ア~」入りのトラックに、ポールのパートをドロップインしたということだ。
しかし、だ。上のYouTubeの音を聞く限り、ポールの「...into a dream」の直後に、録音停止ボタンを押したような何らかの音の痕跡らしきものは何も聞こえない。
そして、「...into a dream」の直後に継ぎ目というかテレコ操作の痕跡というか、そういう音ががないことを根拠に、ポールのパートとそれに続く「ア~」は1度の録音で連続して録ったのだろう、とある。その場合、エメリックの記述は(少なくとも部分的には)記憶違いということになる。
しかし、「ア~」にはテープエコーがかかっている。
で、エメリックによれば、このテープエコーは後から付加するものではなく、録音時にリアルタイムで生み出すエコーだと。
で、エメリックによれば、このテープエコーは後から付加するものではなく、録音時にリアルタイムで生み出すエコーだと。
となると、疑問なのは、「...into a dream」と「ア~」の一瞬の隙間のうちに、エコーがまったくかかっていない籠った音質から、テープエコーモードに録音状態を切り替え可能なのか、という点だ。
残念ながらこの点はRecording the Beatlesにも説明はない。
が、この書籍の著者は、(実際に書いてはいないが当然の推論として)そういうテープエコーの録音テクニックがあることを認識した上で「1度の録音で連続して録ったのだろう」と言っているのだろうから、となると、録音モードの瞬時の切り替えは可能なのだと考えていいのだ、と。(ということにしておく)
が、この書籍の著者は、(実際に書いてはいないが当然の推論として)そういうテープエコーの録音テクニックがあることを認識した上で「1度の録音で連続して録ったのだろう」と言っているのだろうから、となると、録音モードの瞬時の切り替えは可能なのだと考えていいのだ、と。(ということにしておく)
●結局は耳が頼り
しかしよく考えてみると、録音の仕方が連続であれドロップインであれ、それ自体で歌い手を特定することはできない。
しかしよく考えてみると、録音の仕方が連続であれドロップインであれ、それ自体で歌い手を特定することはできない。
「I noticed I was late」の直後に息を切らした様子を意図的に(あるいはふざけつつ)大げさに表現したような擬声が入るが、これはほぼ間違いなくジョンだろう。ということは、ジョンのマイクもオンになっていたということかと思う。あるいはジョンがポールのボーカルマイクに横入りしたのか?
いずれにせよ、「連続して録音」説を採ったとしても、ポールのパートの後、続けてジョンが「ア~」を歌えてしまう可能性は当然ある。
アンソロジー2収録の1月30日モノミックスパートを聞くと、「ア~」はまだなく、ポールの歌い方にもそういう素振りは感じられない(すべては2月3日のセッションで録られたというわけだ)。
ん~、わからんが、事実として録音時に現場にいたエメリックの記述もあることだし(その正誤について疑問視する声は多々あるが)状況証拠的にはジョンが優勢、しかし、4トラックのボーカルトラックを自分の耳で聞いた限りではポール、としておくかな。