Kate Bush:Audio Fidelity LP "Hounds of Love"

Kate Bushの1985年作品、“Hounds of Love”がAFからvinylで登場。
マスタリングはSHとKG。
プレスはRTI。

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盤はご覧の通り、マーブル仕様。このマーブルの濃度というか色味は1枚1枚違うみたい。
最初に入手した盤に傷があったので、店頭で交換してもらったのだけれど、それはこれよりもっと全体的に白っぽい感じだった。

なぜマーブル仕様かというと、初回リリース当時、各国でマーブル盤が発売されたから。
個人的には普通の黒いVinylでいいのだけれども。このマーブル、傷が見つけにくいので。。。

で、レコ棚を探してみたらUKプレスのベスト盤が出て来たので、比較してみた。

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左:The Whole Story / UK / KBTV1 盤はぺらぺらの軽量盤。たぶん120gくらいかな。
右:Hounds of Love / AF/US / AFZLP087 

AF盤はマトリックスのラッカーナンバーがA2,B2なので、たぶん最初のカットはKateの承認が得られなかったのではないかと。近日発売予定のThe Sensual Worldともども、テストプレスをKateに送り、okをもらうという手続きを経ているので。

●それで音について。
TWS収録のHounds of LoveはA面最後なので、位置的に分が悪い。
なのでB1とA1のRunning Up That Hillで比較。

AF盤で気づくのは、低音。低音の伸びというか、量感が明らかに上。低音がしっかり鳴っているので、その分、音の空間が広めに感じる。ダイナミックレンジが広がったかのような印象。

この曲のボーカルは元からしてエフェクトがかかった感じなので、それ自体に違いが大きく感じられるということはない。ただし、奥行き感や実体感はAFが上。この点は全てのインストゥルメンツについても言えるわけで、そうすると全体的な音像がよりナチュラルに響いているように感じる。

久しぶりに新品LP買って、何度も繰り返しターンテーブルに載せたい気分にさせてくれる1枚。
実際、買ってから繰り返し聞いている回数は、AFのゴールドCDの場合よりも明らかに多い。
もちろん超久しぶりにKBを聞いて、あらためてその良さに気づかされているというのもあるけど、でもそれこそが本来のあり方とも言えるわけで。
そういう意味では、LP再生をというか、かつてのように音楽を純粋に楽しむ行為を再創造してくれたこの盤に感謝。

そしてAFには、もうHDCDはいいからできるだけvinylで出して欲しいとも思ったり。
だってねぇ、同じタイトルがマスターテープからのフラットトランスファーSACDで出ちゃったりするんだから、それだったらSACD買うよね、っていう。たとえばBlues Breakers with E.C.とか。

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ところで、DCC盤とステッカー比較。
どちらもゴールドで、書いてある文言は一部共通。

AFがAnalogue Pressingを唱っていないのは気になるが、この点はAFのサイトにも記載なし。
ただしElusive Discなどには、"from the Original Analog Master from Abbey Road!"とあるので、まあ、そういうことでいいかと。

ちなみにAFは、パッケージ上で"From Original Master Tapes"と示さないことにした模様。

理由は、アーティストの意向でオリジナルマスターが使用できないケースがある(例:S. Wonder)ことと、より最近の録音になるにつれ、デジタル録音に移行してきたため、いわゆるマスターテープがないから、だとか。まあ、デジタル録音でもマスターにはデジタルテープを使ったりしてるはずなので、テープがないこともないとは思うのだがけれど、、、。

ということで、このAF Vinylシリーズ、次はThe Sensual World、その後にはHarry Nilssonと続きます。