Doors:す、凄い、かも! Soft Parade / Rhino 180g重量盤

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(上がRhino盤、下がオリジナル盤。なお、オリジナル盤にはゴールドレーベルのものもある)



Rhinoから発売の重量盤Soft Paradeだが、更に聞き込むにつれてその音像のインプレッションがより鮮明になってきた。

“Touch Me”を聞き込んだ上で、今の段階で言えるのは、これはある意味、今までで最高のSoft Paradeではないか、と。

●オリジナル盤LPと比較
オリジナル盤ではモリソンのボーカル中心のマスタリングになっていて、オーケストレーションはあくまでオケの一部。あくまで歌を聴かせるべく、ボーカルが引き立つようなEQ処理で、オーケストレーションは、伴奏として、その他のパートと混濁したまま背後で鳴っている。

しかし、Rhino盤では、左チャンネルにあるドラム、ベース、オーケストレーションがそれぞれボーカルその他のパートと一緒に主張しまくり。右チャンネルのギター、キーボード、中央よりのホーンセクションもまた然り。それらがはっきりくっきりとした音像で、しかも一体感を失わず、バランスを保ったまま、がんがんと前に出てくる。水道の蛇口から勢いよく水が飛び出してくるかのようにどどぉーと流れ出てくるような感じ。何回聞いても、これは圧巻。

Rhino盤は高音の伸びが気持ちいいが、ちなみにレーベル周りのdeadwaxを見ると、Rhino盤のほうが幅が狭い。つまり、音溝をゆったりめにとっているということ。Rhino盤がワイドレンジに聞こえるのはそれゆえのことか?

●CDと比較
ためしにリマスター前の古いCDを聞いてみたところ、なんと音の印象はオリジナル盤よりも、今回のRhino盤に近い。ということは、マスターテープの音の傾向は実はこっちか。ただし、この古いCDの“Touch Me”では、ホーンセクションのトップエンドがつぶれ気味。なので、音の突き抜け感がいまいち。

更にAudio FidelityのゴールドCDを聞いてみたが、いや~、意外なことに、音のクラリティでは一番劣る。これは解像度を求める盤ではない。チューブアンプを通したのかどうかは知らないが、意図的にもこもこした音像にしたとしか思えない音。ボーカルにも演奏にも1枚ベールがかかったように、ぼわっとしている。まあ、その分、ドラムのアタックの音やホーンの音がよりナチュラルに聞こえるような気もするが、ただし、各パーツが勢いよく飛び出してくるような鮮やかさや、躍動感はない。

関係ないが、Rhino盤とゴールドCDを比較していたら、もしかしてホフマンの耳がもうダメになっちゃったのでは? とまで思ってしまった(最近、トラブルが頻発しているし、なぜかKevin Grayの出番が増えているし……)。そんなわけはないと思うが、でもそのくらい違う。

明日になったらまた感想が変わっているかもしれないが、ともかく今日の時点では今回のRhino盤がSoft Paradeの決定盤。これはほかのタイトルも買っておくべきか?


(その後、1999年のグランドマンによるリマスターCDも聞いてみた)
99年リマスター盤は、かなり低音がふくれ気味。
中~高音域は解像度が高いが、ぼわっとした低音の影響で、全体的なシャープ感に欠けるし、バランスがとれていない。
全体的にやり過ぎな印象の盤だね、これは。