Doors:なんとリコールに! ――7枚組LPボックスセット(ドアーズ)

DoorsのLP7枚組LPボックスセットが、“リコール”だそうです。
現在店頭にある分は全て回収となり、既に販売した分については消費者からの申告に応じて不良パーツ(例:傷のあるジャケットのみ、とか)を交換する、と。

某海外の掲示板には4月22日の発売当初から様々な不平不満が押し寄せていたわけですが、まさかこんな事態に陥ろうとは……。「良かった、買ってなくて」と言うべきなのか、「あ~、レア盤買い逃した」と思うべきなのか(いや、交換するだけだからそれはないか)。

問題点をまとめると:
・ジャケット表面に擦れた痕がついている
・ジャケットのシーム(上端/下端)が裂けている
・ジャケットの角がつぶれている
・インナーのシームが裂けている
・レコードがオフセンターになっている
・レコード表面に各種の傷があり、痛んでいる
・音がノイジー(サーフェイスノイズが多い、傷のせいかプチ音とボチっという音が頻繁に入る)
・特にmono盤の音が悪い
・1st/mono盤のジャケに印刷されてあるレコード番号が間違っている(EKLがEKSになっている)
・同じタイトルが2枚入っている人もいた
・1年待たされてこれか・・・
といった感じ。

ジャケの痛みに関しては、輸送中に箱の中でがたがた動いた結果と思われる。これについてはそうならないよう梱包材を入れるとか、各LPをシュリンクラップしておく、あるいはLPとLPの間に薄紙を入れて直接擦れるのを回避するなど手段があったのでは、と色々言われているが、いずれもごもっとも。

個人的に一番気になったのは“音”の問題。
例の掲示板では今回のLPの音とオリジナル盤、DCCのCD盤、DCCのLP盤と比較するブラインドテストが行われたのだが、これを聞くと今回のLP盤は“きつい”。

Beatlesのデジタルリマスター盤LPとオリジナル盤を比較すると、リマスター盤がとにかく音が細いことがわかるはずだが、まさにあんな感じ。今回はアナログマスターを使用し、マスタリングに至る過程でデジタル処理を一度かませている。ただしビットレートが24bit/192kHzらしいので「デジタルだから」というのが原因ではないかもしれない。とすると、やはりマスターテープそのものに問題があったのか(Beatlesのリマスター盤の場合もそうなのかな?)。

実際、ブラインドテストで使用された"Break On Through"の今回のLPのクリップを聞くと、途中で音のバランスが妙に変わる個所があることに気づく。他の音源ではこれはない。この音に日本円で2諭吉出すのかと考えると、やはりちょっと引いてしまうかな。それにジャケットのクオリティも(ダメージの件は別にしても)いかにもレプリカという雰囲気だったので……(1999年CD Box Setの紙ジャケのような感じ)。

リコールに関して、日本で買った人にはどう対応してくれるのかまでは情報がないものの、とりあえずライノにメールするのがいいのでは。

ちなみに宛先はdr.rhino@rhino.comだそうです。

それと、今回のリコールに際し(お詫びの印なのか?)"Light My Fire"の限定7インチシングルをプレゼントするそうです。ステレオとモノのカップリングだそうな。ただし、フルバージョンなのか、編集バージョンなのか、その他の詳細はまだ明らかにされていませんのであしからず。