Doors:やはりB面も遅かった&7枚組ボックスセット(ドアーズ)

先に“The End”の再生スピード調整の話を書いたが、その裏付けとなるブルース・ボトニック(ドアーズの録音エンジニア)証言を発見。
→ https://www.elusivedisc.com/TheDoorsVinylRestoration.pdf

該当箇所の原文は次の通り。
We went through the process of correcting, from the beginning of each side, from almost on speed, with “Break On Through”, to slightly over a quartertone flat by the end of “Light My Fire”. The same condition occurred on Side 2 from “Back Door Man” to the finish of “The End”.

“Break on Through”はほぼ適性スピードだが“Light My Fire”では4分の1程フラット側に音程がずれている、と。そして同じことがサイド2でも起こっていました、と。

やはりオリジナル盤ではB面の再生スピードもおかしかったことがこれで確定したことになる。その上で、40th remixの再生時間と比較した際にズレがあるのだから、当然、40thではスピード調整されていたことになる。

(考えればわかる通り)“The End”1曲だけではなく各面の全ての曲が適性スピードではなかったわけだが、特に各面の最終曲ではそのズレが大きくなっていった、というまあそういうことですね。

ところで、上のpdfは4月22日に遂にリリースされた7枚組LPボックスセットに添付されている資料らしいのだが、これを読むとオリジナルのマスターテープ、セーフティコピー、EQコピーを確認したところ、なかにはほとんど再生できない(unplayable)状態のマスターテープもあったとか。

そこでまたしても疑問が浮上する。すなわち、では今回のLPの音源はどれなのか、1999年のリマスター盤の音源はどれなのか、と。

原文の書き方だとどれを“マスターテープ”と言っているのか曖昧なものの(3種類全部を“マスター”としている風でもある)、まあオリジナルマスターテープがダメなものはセーフティコピーを使ったんだろうなぁ・・・、とカリフォルニアの青い空に思いを馳せるしかないか。