Beatles:UK盤2マークもファンなら必携、ですよね……

さて、F1日本GPを迎えると秋だな~と思う今日この20余年。
ビートルズをレコードで聞くのにちょうどいい季節になってきましたね。

 

ところで、海外のオーディオフィルの間ではもはや常識なんですが、日本ではあまり話題になっていないことがあります(と、私が思っているだけなのでしょうが、まあとりあえず)。

 

それはチューブカットとソリッドステートカットの違いです。

 

たとえば「ビートルズはUKオリジナル盤が最高で、70年代以降の盤は音がやせていてだめ」と、よく耳にするというか目にします(そうでもない?)。しかし、そもそも、カッティングのシステムが60年代と70年代以降では違うわけですから、ある意味、60年代盤と70年代盤を比較して善し悪しを云々するというのは、ちょっと的外れだったりするわけです。というか、そういう風に別物と考えた方がビートルズのレコードを2倍、3倍楽しめる、と思うのですが如何か。

 

簡潔に言えば、カッティングシステムに真空管アンプを使っているか、ソリッドステートの、つまりトランジスターアンプを使っているかの違いから音色に違いが生じるわけです(電気信号を音の波に変換する方法の違い、ということ)。

 

で、その根本(かどうかはさておき)を知ってか知らずか「60年代オリジナル盤は音が太い。迫力ある。最高」と論ずるのは的外れにもなる、ということです。

 

話をさっさと進めるならば、チューブカットはいわゆるチュービーなふくよかな音、ソリッドステートカットは音像の焦点がビシッと1点にあった輪郭の明瞭な音、です。

 

イメージ 1

これはおなじみY&Bパーロフォンレーベルで、イコール、チューブカット。

 

イメージ 2

こちらもおなじみ2マークレーベルで、ソリッドステートカット。

 

*注:2マークレーベル=ソリッドステートカットではありません! マトリクスナンバーを確認しよう。For Saleの場合、EMIリム(マトリクス3/2)以降ならばソリッドです。

 

で結論を急ぐと、どちらもそれぞれ特徴のある音なので、両方楽しめるよ、ということです。
ついでながら、マスターテープの音に近いのはソリッドステートの方です。

 

ただし、マスターテープの音イコール「本来の音」というわけではないでしょうから、そこはそれはそれでまた個々人が楽しめば良いんですね。

 

そう思うと、同じタイトルでもあれこれ揃えて比較するのも楽しいもの。
これからますます長くなる秋の夜長の趣味にぴったりではないでしょうか?
ヘッドフォンでも良く違いは分かりますよ。

 

このごろ話題のジョージですが、彼のギタープレーをより明瞭に聞き取れるのはソリッドステートの方。With the Beatlesのソリッド盤は最高です(個人的な感想)。
 
(20230624追記修正)