Beatles UK盤コンプリート・ガイド 寸評

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たしか2~3カ月前に発売予告があった『ビートルズUK盤コンプリート・ガイド』を店頭で発見。
微妙に迷う内容だったものの、オールカラーであること、シングルまで網羅していること、などを踏まえ、ゲットしました(税込み3500円)。

ジャケット、インナー、レーベル等のバリエーションをここまで細かに揃えた資料本は現時点では他にないでしょう。また、これだけのマニアックな内容の本をこの価格で提供できるというのも凄い、というのが率直な感想。

一方で微妙な部分もあります。

●CG!?
たとえばレーベル写真の隣に[CG]とマークが入ったものが何点もあるのですが、説明を読んでみると、このマークが付いている写真は、CG、つまり、(たぶんフォトショップによる)合成画像である、と。

また、レーベル写真の横に★が付いているのですが、これは入手の難易度を表したものだそう。

なのですが、★が1つなのに、[CG]のレーベルが幾つもあるんですね。
たとえば2マークのレーベルが[CG]だったりして、ん~……、「それはどうなのかな?」と。

[CG]を使ってでも出版を急がなければならない理由でもあったんでしょうか?

マトリックス
レーベルのタイプ毎に、そのレーベルに対応するマトリックスが細かく記載されています。
これはコレクションを充実させていく際に、とても重要な情報で本当にありがたい。

……なのですが、そのマトリックス情報が明らかに不正確な部分が散見されるんですね。
ざっと見ただけでも3~4個所はありました。
たぶん細かくみていけばもっとあると思います。

またボックスセットのページでは、収録のレコに関して、マトリックス情報が何もないケースもあります。

●レーベル
[CG]画像で補完しているレーベル以外にも、実際にはあるのにまったく触れられていないレーベルもあります。あるのは知っているけれど実物がないものは[CG]で作っているのですから、まったく触れられていないということは、認識されていない、ということ、なのかな?


まだ全部を細かく読んでいないのですが、とりあえず一例としてAbbey Roadの項を見てみると、ここではなぜかピクチャーディスクが掲載されていません。ARのピクチャーディスクはUK盤もありますが、それが載っていないんですね。SgtのUK盤ピクチャーディスクは載っているんですが。

また、マトリックス情報が不完全です。

それと各アルバムのページの最初に、そのアルバムの紹介コラムがあるのですが、ARのコラム内容がちょっと微妙かも。アビイ・ロード・スタジオが「故郷のように居心地のいい場所だった」、と断言するのはひっかかるかな。



という感じで、ちょっと見ただけでも色々あるようですが、まあでもこの情報量が凄いのは確か。シングルのバリエーションも輸出仕様盤までしっかり押さえていて、ありがたい。また、上手くいけばそういった修正点を反映させた改訂版を今後も出していきたいとの意気込みがあるようなので、期待しておきましょう!

Bruce Spizerによる同主旨の新刊本(今夏~今秋発売予定)も気になります。