Doors:映画When You're Strange/まぼろしの世界 を観てきた

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1日は1000円均一ということで、Doorsのドキュメンタリー映画、When You're Strange『まぼろしの世界』を観てきた。

 

内容は、ジム・モリスンの生い立ちから死までを時系列で追っていく、というもの。その意味では先日観に行ったセナの映画と同じと言えば同じ。

 

見終わってまず思ったのは、「短いなぁ」「もっとそれぞれのシーンの詳しいところまで観たかったなぁ」ということと、「もう1回、観たいな」ということ。


●レア映像とか
冒頭は、例の空港で名前と職業を答えるシーン。今更かよ、とちょっと落胆を感じたのは確かだが、もしかして敢えてオリバー・ストーンの映画でも再現されていたこのシーンから始めたのかな、とも思った。

 

ライブシーンはほとんどDVDなどで観れるものと同一。映画上の時間軸とまったく噛み合っていないライブシーン映像も多かった。ソフトパレードの話の後にハリウッドボウルの映像が出てきたり。

 

UCLA時代のマンザレクや若き日のモリスン、Doorsの前座をthe Whoが務めたフットボール競技場の観客席でジムがライブの記念プログラムを物色するシーンなどは初めて見た。全体的な印象としては見たことがある映像が多い一方で、初めて見るオフステージ映像も多かった、という感じ。なので、「もう1回、観たい」、と。となると、これはDVDになったら購入するだろうなぁ~

 

あと似非ドアーズ呼ばわりされている例の3人組と撮ったHWY(ハイウェイ)の映像の美しさは驚きだったな。

 

それと確かBreak on Throughのマルチトラックをトラック毎に再生するシーンがあったんだけど、あそこはちょっと身体が前のめりになったかも。w Making of...のdvdを見直してみるか。。。

 

●マイアミ
映像の正確さという意味で疑問を感じさせる内容だっただけに、劇場パンフレットにその辺がしっかり説明されていたのはありがたかった。

 

特に、観ていて不安を覚えたのがマイアミでのライブのシーン。

 

パンフを読んだら、やはりあればマイアミのものではない、と。じゃあどこなのかは記載がないのが惜しいが、ただし、これまであちこちで読んだ顛末を踏まえると、あの映像はかなりその内容と一致していたことも確か。

 

ただし裁判の判決日とその内容は映画で語られている通りではない、とも。UCLAの後、ジムがNYに行くつもり、と語ったことや、マイアミの前にリビングシアターを観た話とか、細かいところはしっかり押さえていたのに、肝心のそこをミスるというのはちょっとよく分からないし、実際、観ている最中も違和感あったね。

 

●この映画はドアーズなのか?
資料によれば監督のトム・ディチロは200時間分(?)の映像を全部チェックした後、85分(実質80分)にまとめたということらしいが、ん~、でも、デビュー前の話もデビュー後の各アルバムの話もはしょりすぎ。

 

先述のとおり、この映画、ドアーズを題材にしている風に見えて、実はジム・モリスンの伝記映画なんだよね。だから(なのか?)、アルバム制作の話はあっさりしているし、音楽的な側面にもあまり踏み込んでいない。

 

当然、バンドとしてデモディスクを作って売り込みに行った話とか、紆余曲折を経てWhiskey a go goまで登り詰めた話もなし。

 

時代背景、カルチャー、象徴的出来事はよくわかったし、そのなかでこいつら濃密に生きていたんだなということもよくわかる。なんだけれど、モリスンがアメリカンミュージックについて真剣に語ったクリティーク(でしたっけ?)のインタビューとかは、一瞬映像を見せながらも、まったく無視という。

 

結局この映画も、ジムの奇天烈な行為にのみ聴衆の関心が向くようになった、という方向に話が収束していく流れになってしまい、そういう意味ではステージ上での奇行をある程度は期待していたであろうマイアミその他の観客の目線と、この映画の視点は変わらないとも言える。

 

字幕の歌詞対訳はかなり踏み込んだ訳で良かったが、それだけに、もっといろいろな曲を歌詞の面というか、音楽性の面というか、そういう方向から触れてもらいたかったように思う。

 

だって、今、最も身近に存在しているドアーズは、音楽の中にいるんだからさ~。

 

5点満点で3.7くらいかな。

 

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新宿武蔵野館のドアーズコーナー。

 

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少年時代のジムのドローイング(のコピー)なども展示されてました。