the Who:Who's Nextの新SHM-SACDと旧CDを比較してみた

イメージ 1

ようやくamazonから到着。

最近、なんだか知らないけどamazonの発送&配送が以前よりやや遅めになったような気がするねぇ。
注文した商品の確保に時間がかかったり、結局むこうからキャンセル通知が来たりと。
現下の厳しい経済情勢や音楽業界の苦境を考えると、まあ、いろいろ舞台裏ではあるんだろうなと思ったり。

今回のSACDはなぜか関西方面からの発送で、その分配送にも時間を要した感じ。

さて、Who's Next、当初は6月発売予定だったものが延期となっていたが無事日の目を見たのは実に喜ばしい。

さっそく聞いてみた。

第一印象としては、音の分離が非常にきれい。
かつ、CDのように音が潰されたような、つまりダイナミックレンジが圧縮されたような印象が皆無。
一方で、意外に音の勢いは静かというか、おとなしめ。
そのせいかボリュームをどんどん上げたくなってしまう、そんなディスクだねこれは。

●CDバージョンと比較
で、まずは大昔にホフマンがアメリカでマスタリングした音源を使用しているカナダ盤CD(右上)から。
SACDと比べると、一聴して音が細めでややトレブルっぽいのが分かる。
あと、テープ再生スピードが微妙に速め。

次にデラックスエディション(左下)。
これは音の解像度の点ではカナダ盤CDよりいいね。
マスタリングの時期がカナダ盤より最近な分、デジタルトランスファーに使用した機材の能力も上がり、それがこの解像度に貢献しているのかなと。
しかし、この低音の厚みはなんなのか。
低音の音量バランスが明らかに大きくなっていて、迫力という点ではSACDを凌ぐ。

とそういうことを言えるのは、今回のSACDがフラットトランスファーだと分かっているから。
これのボリュームをどんどんあげたくなるのは、低音の押し出し感が今まで聞いて来たデラックスエディションより弱いためで、そして耳が自然にその音圧を求めてしまうからかも。

逆に言うとデラックスエディションは意図的に低音がブーストされている、ってことだね。
もちろんどれを気に入るかはその人次第。

このSACDは音の分離が鮮明になったお陰で、たとえばGettin in Tuneの終盤の盛り上がりでも各楽器の音色や旋律が明確に聞き取れる。
今まではもはや各パートの音がごちゃまぜになってほとんど団子状態だったこの部分だが、今回はニッキー・ホプキンスのピアノの旋律が十分に味わえるくらい明瞭だし、同時に弾いているピートのギタープレイも同じくしっかり聞き取れる。

その他、全編にわたってどの楽器もボーカルも、音のトランジェントが圧倒的に良くなり、その分、実在感が大きくアップしている。特にBargainとWon't Get Fooled Againは「おっ!?」という嬉しい驚きがいろいろあった。

そう考えると、このWho's Next SACDは、現時点でのこのタイトルのHoly Grailと言っていいかも。

ま、まずはもう少し聞き込んでみるか。。。



あ、右下の日本初回盤P33Pを忘れてた。

これはフェードイン/アウトする曲が多く、ヒスノイズも激しい。ちょっと聞いた限りではかなり迫力の面でもいい感じだが、長く聞いているとミッドレンジが引っ込んでいるのに気づくと思う。
キースのドラムの音など、光る部分もあるディスクだが、他の3枚と同列に語るにはちょっと系統が違うかなという、そんな盤ですな。



これでWhoのSACDはMy Generation、Tommy、Who's Nextと3作になったわけだが、となればやはり次回はQuadropheniaのSACD化を期待したい。