40周年! Led Zeppelin I CDの問題と音質比べ

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Zeppelinは熱心なファンが大勢いると思うのであまり語りたくはないものの、CD音源を聞き比べしてみたので忘れる前に書いておく。

比較したのは
SD19126-2(Barry Diamentがマスタリングした初回盤/Made in US)
AMYC-4005(George Marinoがリマスタリングした盤/Made in JP)
と最新盤のMothership(レンタルしたので詳細情報不明)。

純粋な比較の前に一つ問題がある。
それは初回盤とそれ以外では左右のトラックが逆になっているということ。
このためTrack 2のBaby I'm gonna leave youのイントロのギターが初回盤では右から、それ以外では左から聞こえてくる。

単純に左右が入れ替わっているだけだが、当然ボーカルその他全てが逆転しているため、聞いている印象に影響が及ぶ。では、どちらが正しいのかだが、過去のVinyl盤を含めるとこうなっている。

Vinyl- 8216- Left
Vinyl- 19126- Right
CD- Diament - Right
CD- 4 cd set (crop) - Right
CD- 10 cd set- Left
CD - Early days - Left
Vinyl- Classic - Right
CD - 3 cd promo- Left
CD- Mothership - Left
(Hoffman掲示板より)

Zeppelinはアメリカ原盤なので初回盤のSD8216が初出。ならば、正解は左ということか。

そこで今回はDiamentマスタリングの初回CDの左右トラックをAudacityを使って入れ替え、それをCD-Rに焼き直したうえで聞き比べした。

結論としては、Diament盤とMarino盤の差異はごくごく僅かでしかない。ほとんど同一と言ってもいいくらい。わずかにMarino盤の方がトレブルが強めかな、くらいの違い。そしてMothership盤はMarino盤の音量レベルを上げただけで同一マスターを使用している。従ってこの3つの盤は音量(音圧)の違いをのぞけばほぼ同一。

ではどれが好きかだが、個人的にはMarino盤が聞きやすいと言わざるを得ない。Hoffman掲示板で絶賛されているDiament盤は、今ひとつ音の分離がクリアではなくバンドの音が団子になっている感じがして、大げさに言えばもこもこ感がある。

Marino盤は微かにトレブル強めのせいか、音の分離が良好で聞きやすい。どちらかと言えばDiament盤はアナログ感の強い音像で、Marino盤はよりデジタルっぽい音像。

こうした違いは、あらゆるものがデジタルへと加速する時代の流れをマスタリングする側がどう考え、どう判断するかなのだろう。たとえばiPodで聞くリスナーを想定するならば、Mothership盤のようにトレブル強めででかい音量を狙うことになるのだろう。もはや一つのメディアで全てのリスナーの欲求を満たすのは不可能。逆にClassic Recordsなどが人気を集めたりするのもそれゆえのことだろう。

で、そのClassic RecordsのLed Zeppelin Iだが、評判通り、これは凄い。オリジナルマスター使用のため音質が良好なのはもちろん、マスタリングが最高でバンドの“熱さ”が圧倒的な迫力となって聞き手に伝わってくる。今の所、Iに関してはこれが決定版。(ただし本当にオリジナルマスターならば、なぜ左右トラックが逆転しているのか、この点は疑問が残る。あるいは本当はこちらが正しいのか……)

これに対し実はCDのDiament盤はオリジナルマスターではなくダブマスターを使用しているそう(Hoffman掲示板より)。音にもこもこ感があるのはこのためか。ただし、Marino盤も恐らくDiament盤と同じダブマスターを使用していると“推測”されているのだが……(ジミー・ページは“オリジナルマスター”を持って来たというが、それが正真正銘のオリジナルマスターだったのかは不明)。上記の通り、MothershipはMarino盤と同じマスター、というか、Marino盤で作成したデジタルフラットトランスファーを流用している。理由は「時間的な制約のため」だそうな。

 ~後記~
実はこれをここに掲載した13日はAtlanticが1969年にこのアルバムをリリースしてから40周年目だったことが判明。なんという偶然! これもロックの神様のいたずらか?(笑)