The Who 来日公演を観た!(スーパーアリーナ&武道館)

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              (武道館のイスに置いてあったちらし)

The Whoの来日公演に行って来た。足を運んだのは
11月16日(日)さいたまスーパーアリーナ
11月17日(月)日本武道館
の2回。

いやはや、武道館はやっぱり行ってみて良かった! というのも・・・、さいたまで観た後は「まあ、1/2Whoとしてはがんばってた。けど、ベースがもこもこ、コーラスも決まらず、キーボードも単調で、ドラムも没個性で、どうもな~。それにあのステージのスクリーンに映されていた映像がしょぼい」という感じで、なんというか遂にWhoを観た割には、満足40%、不満60%という感じだったので。

“Behind the Blue Eye”の最後の締めのフレーズがロジャー一人でコーラスなし(のように聞こえた)でしょぼかったし、“Baba”のイントロからピアノが本来ガツンと入る所も、ベースの基音が“ボョ~ン”と重なって締まりがない。“My Generation”のベースソロもミスがあったし、ザックのドラムはがんばっているのは分かるけど、一本調子で面白みに欠ける・・・、といった感じ。

また、アリーナ後方の席だったこともあり、ステージ上のメンバーよりもスクリーンの方が視界に大きく入ってくる。なんだけど、そこに映し出される映像のクオリティがちょっとしょぼいというか、粗いというか、まあ、今までライブで観てきた中では一番レベルは下だった。

また、音響が悪く、高周波のトレブルノイズだけがやたら耳に突き刺さるし、しかも演奏者のアクションと聞こえてくる音に一拍ズレがあるので、どうにもこちらはノリきれない。といった調子で正直言ってイマイチだった。

ところが、である(笑)。武道館ではそういった諸々の気になる部分がほぼ全て解消されていた。今度は2階席だったが、スーパーアリーナより圧倒的に視界が良いし、ステージまでの物理的距離が近い! そして音も良い!(アクションと音にズレがない!)お陰で“Behind the Blue Eye”の最後のピートのコーラスもちゃんと聞こえたし、“Baba”の入りのインパクトも前日より良かった。何よりもこの日は“Love, Reign O've Me”のロジャーが最高レベルの出来映えでとにかく素晴らしかった。最後は声が枯れてしまって、“Tea & Theatre”が掠れ声だったのも、こちらとしては何かすごい充実感を感じられて良かった。ザックが相当にがんばっているのもはっきり目視できたので、これも納得。もう少し演奏に個性を出してほしいところだが、正式メンバーでないのだからあれが精一杯なのだろう。

また、メンバーの演奏の気合いの入り方もやっぱり違っていた。前日よりMCが多めで、ロジャーはfabulousとかwe're very, very luckyとかポジティブコメントをたくさんしてくれたしね。欲を言えばもっと曲を入れ替えてほしかったが。

あと前日のスクリーン映像は縦横比率が崩れ、縦長だったため余計に不快感が強かったことも分かった。武道館では正しい比率だったし、また、何よりもバンドの方に自然に目がいく座席位置だったのもありがたかった。

最後に思ったのは、やっぱりキースかジョンがいてくれたらな、ということ。結局かつてのWhoが持っていたアホさ加減というか、現実を笑い飛ばしてしまうようなユーモアセンスの部分は、大半がキースが、そして蜘蛛男ジョンが担っていたのだろう。ロジャーはとっても真面目、ピートはあくまでパンクで破壊的。ゆえに今回のライブもパンクでハードで真面目な、まさに1/2Whoそのもののライブとなったわけだ。しかしあの歳にして、レトロ感というか、邂逅とか懐かしさみたいなものを微塵も感じさせないライブというのはやはりすごい。嗚呼、天晴なり、the Who


(メンバー)
ロジャー&ピート
ピノ・パラディーノ(ベース)
ザック・スターキー(ドラム)
ジョン“ラビット”バンドリック(キーボード)
サイモン・タウンゼント(ギター)