Byrds:Greatest Hits SACD他、徹底(?)比較!<1>

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Byrds/Greatest HitsのSACDを入手したので早速同タイトルのCDと比較してみた。ネットで海外の評判を検索したところ、どちらかというとネガティブな声(CD版と変わらないとかむしろ悪いとか)が多かったが、果たしてどうなのか、と。

今回聞いてみたのは以下のタイトル。
SACD: CS66230 US Columbia Legacy(右)
CD: MHCP 107 Sony 2003 紙ジャケ(左)

●Rd.1: SACD vs.CD
SACDの音の第一印象は、ラウンドでぬくもりのある、それでいて明瞭な音像、という感じ。これは悪くない。次に紙ジャケ。んんん~? これはSACDよりやや音が大きいか? ギター、ボーカル、ドラム、ベースの各パートがSACDよりも前面に出てくる。音の輪郭はこちらの方がはっきりしていて、一聴しただけではこちらのほうがいいかも、と思える。

だがマスター音源はどちらもVic Anesiniによるマスタリングで、共通のはず。SACDの方はややおとなしめだが、聞く限りではノイズリダクションはしていない。していたとしても激しくはない。何曲か繰り返し比較したなかでわかりやすかったのが11曲目のMy Back Pages。

曲の最初、左チャンネルでギターのイントロが流れる間、右チャンネルからテープノイズが聞こえる。CD版の方がこのノイズが大きい。続いてスネアが入ってくるが8拍後にシンバルがジャ~ンと鳴る。このシンバルの音なのだが、CD版の方が音が大きめで激しく、そしてつぶれ気味。これは決定的か。対照的にSACDの方は、シンバルのアタックから減衰まできれいに鳴っている。

これはCDのマスタリングの際のコンプレッサー(&EQ処理)のせいだろう。音量を底上げして大きくし、EQでトレブルを強めに処理した感じ。こうすると携帯プレーヤーなどでは聞きやすくなるものの、一方で生音感が損なわれてしまう。一瞬いい音に聞こえるのだが、長く聞いていると(極端な場合は)聞き疲れするパターン。

そう思って聞いてみるとCDの方は音が前に出てくる感じはあるものの、奥行き感がやや欠けるか。ボーカルやコーラスもやや尖った印象の音。敢えて言えば、CDは金管楽器的でSACD木管楽器的かな~。

音の違いというのは不思議なもので、頭で認識するまでは「あんまり変わらないかな」と思っていても、一旦差異に気付いてしまうと決定的に違って聞こえてくる。ということで、結論としてはやはりSACDの方がベターだと思う。

……なのだが、話はここで終わらない。なぜなら言うまでもなくこのSACDと紙ジャケCDはリミックスバージョンだから(ただし大きく違うのはMr. Tambourin Manだけ。それ以外はオリジナルバージョンに忠実なリミックス。本当にリミックスしているのかと疑問を感じるくらい忠実。でも海外の掲示板によれば間違いなくリミックスだそうな)。では、オリジナルと比較してどうなのか、と。

(次回に続く)