the Who:SHM-SACDのWho's Nextは買いか??

イメージ 1

(↑これはただの日本盤CD)


ユニバーサル・ミュージック・ジャパン(UMJ)から6月23日(水)に発売予定のSHM-SACDの中で特に気になるのが、Who's Next。(2番目はAjaか)

今回が初のSACD化となることに加え、多くの他タイトルが日本国内マスターを使用する中、なぜかこのタイトルだけは“海外オリジナルアナログテープ”を使用するという。

http://www.phileweb.com/news/audio/201004/20/9870.html

国内マスターは当然ながら本国のマスターからコピーしたものなので、厳密に言えば音質的に本国マスターより劣ることになる。ダビングの際、ドルビーをかけるという要因もある。なので、高音質が命題のSACDでは本国オリジナルマスターが本来なら望ましい。しかしユニバーサルの説明によれば、各タイトルとも本国マスターと国内マスターを比較したところ、後者のほうが状態がいいものが多く、結果、それらのタイトルでは国内マスターを使用したという。

この話を信じるか信じないかはさておき、興味深いのはWho's Nextのマスター音源にかかわる情報の混乱だ。当初、店頭に流された情報にはWho's Nextも日本マスターと記載されていた。そのせいか、以下のページではWho's Nextも日本マスターとなっている。

http://www.stereosound.co.jp/hivi/detail/newsheadline_4395.html
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3809459

●Who's Nextは海外マスター
この点をPhile-webに確認したところ、ユニバーサルの広報からの情報として、当初は国内マスターの予定としていたが、その後、海外オリジナル・アナログテープに変更になったという。なんとなく、様子が変な気はしまいか? 国内マスターと海外マスターを比較して良い方を選択するというプロセスを各タイトルで踏襲したのなら、途中で変更になるというのはつじつまが合わない。(実際に聞き比べた結果として国内マスターを使うことに決めたのに、あとから「やっぱり海外マスターにしよ~っと」となるべき理由がない)

なので、完全なる憶測だが、もしかして2つのマスターの比較は全タイトルではやっていないかも???
あるいは、Who's Nextに関しては海外マスターの入手が遅れて、とりあえず安全策として「国内マスター」とアナウンスしたものの、その後手配がついて比較したら海外マスターの方が良かったのでそっちに変更した、とか? この辺の事情は中の人しかわからないわけだが、ちょっと今回のマスターの選択に関して不透明感があるのは残念。

●でも、“海外オリジナル・アナログテープ”って?
Who's NextのLPはマスターにEQを施したもの、あるいはEQマスターからカッティングされている。
なので、オリジナル・アナログテープといっても、本物のマスターとLP用EQマスターがあり、さらにいうとCD用EQマスターもある。

上の写真のCD製作時に使用されたのはCD用EQマスター。
2003年のDeluxエディションでは、本物のマスターを使用したらしいが、もちろんフラットトランスファーしたわけではない。
また、Classic RecordsのVinylでも本物のマスターを使用。

じゃあ今回のSHM-SACDではどれを使ったのか、ということが気になるわけだが、これはどこかのメディアにユニバーサルの中の人に取材してもらうしかあるまい。“海外オリジナル・アナログテープ”と敢えて言っているくらいなので、恐らくは本物マスターからDSDマスタリングしたのだろうと思われる、というかそう思いたいが果たしてどうか。

それとDSDマスタリングをどこで行ったのかも気になる。
アメリカでやったのか、その場合、マスタリングエンジニアは誰だったのか、あるいは国内でやったのなら、マスターテープの状態はどうだったのか……、気になるねぇ~。