Beatles:モノラルCDは本当のモノラルじゃない!?

BeatlesのCD Single Collection22枚のうち、19枚と半分("You Know My Name")がモノラル。このうちShe Loves You / I'll Get Youを除く18.5枚は左右のチャンネルのデータが同一ではない。従って、厳密な意味で言えばモノラルではない――そうです。

試しにiTunesで取り込んだwavファイルをサウンドエディターで開いて確認してみたところ、確かに左・右トラックのデータが一致していない。

S・ホフマンによれば、その原因は制作段階でモノラルマスターテープを再生の際、モノヘッドではなくステレオヘッドを使用し、なおかつそのときステレオヘッドのアジマス(懐かしい!)が適切に調整されていなかったからだとか。このため左右のトラックに差異が生じた、と。

また、ステレオヘッドを使用した場合、本当なら左右それぞれのモノトラックを比較して、より状態のいい方を選んでそれをもう一方のトラックにコピペするらしいのだが(当然そうすれば左右トラックのデータが同一になる)、それもやっていなかった、と。

なのでモノ盤シングルCDを注意深く聞くと、ステレオピクチャーがずれていたり、音の切れが本来より悪かったりする、とな。

そして、実はこれは自分で修復できる!というのである。

サウンドエディターでファイルを開き、片方のチャンネルのデータをもう片方にコピペしてCDに焼けば出来上がり。簡単。さっそくやってみたら自分でもできた! 

そのwavデータをiTunesに取り込みCD-Rに焼いてみた。確かに何も問題なく再生できる。そして元のCDと聞き比べてみた。

結果は「う~~~~~~~~ん、びみょう」。

発売から十数年経っているのに誰も文句を言ってこなかったことを考えればさもありなん。パソコン上では目視で「左右のトラックデータが違う」ことを確認できるものの、その差異を実際に聞いて知覚できるのかとなると……。

確かに"Paperback Writer"や"Day Tripper"、"Please Please Me"など、一瞬、「ん、違う!」と感じるものもある。だが繰り返しA/B比較しているとだんだんわからなくなってくるんですよね、これが(笑)。

ちなみにアルバム初期4作モノ盤CDのうち、Please~、With~、For Saleも同様の状態だそう。やれやれ。