Beatles: "Love"のDVD-A 2.0はダウンミックス

いつものように知っている人にとっては今更な話。

2006年に発売されたBeatlesの"Love"にはCD版とDVDオーディオ版(以下DVD-A)があった。
このDVD-AにはDVDビデオ層とDVDオーディオ層がある。
内容は次の通り。

●DVDビデオ層
----PCMステレオ
----ドルビーデジタル5.1
----DTS 5.1
これはパッケージ裏面に書いてある通り。

DVDオーディオ
----Advanced Resolution 5.1
これはパッケージ裏面には曖昧な表現で書いてある。
具体的には「Advanced ResolutionにアクセスするにはDVDオーディオプレーヤが必要」と書いてあるのみ。しかしそれが何チャンネルなのかは書いていない。

そこで色々と調べてみると、基本データは5.1だということがわかった。
2.0再生の場合、その5.1がダウンミックスされて2.0になっていることも判明。
また、サンプリングが96/24だということもわかった。

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不思議なのは自前のパイオニアのマルチプレーヤで再生すると、ディスクを入れてそのままスタートさせた際にはD.MIXの表示が点灯せず、あたかも2.0ファイルが存在しているかのように見えること。

ただしトラックリストをあれこれいじった後に再生するとD.MIXが点灯する。掲示板の情報を総合するとどうもパイオニア製のマルチプレーヤは、ファームウェアの件といい、なにかしら支障が生じる可能性が高いようなので、ま、それが原因なのかな。

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それにしても納得がいかないのは、なぜパッケージに正々堂々と「DVDオーディオ層にはAdvanced Resolution5.1chが含まれている」と書かないのか、という点。2.0再生環境しかない人がそれを敬遠することを憂慮しているのなら、「ダウンミックスで2.0再生できます」と書いておけばいいのではないか? 

もしかして、2.0の場合、最大サンプリングレートの192kHz/24bitが可能なのだが、それをやっていないことを明らかにしたくない、ということなのか。(1枚のディスクに5.1/96/24と2.0/192/24は共存できる)いずれにせよ、普通にAdvanced Resolution 2.0を用意しておけばそれで済む話のように思えるのだが……。あるいはダウンミックスがDVD-Aの主流なのか?(で、それが暗黙の了解である、と?)

どうもこのDVD-Aという商品は、なにかと情報不足のように思える。例えばサンプリングレートが表記していないタイトルは幾つもあるし(特に最近のタイトル)、また、音声ファイルがLPCMなのか、PPCMなのか(別記事参照)がわからないものがほとんど。

もちろん(デジタル的に)音質が良いのは認めるし、それは音楽ファンとしてもちろん歓迎できる部分ではあるが、とにかく各タイトルの仕様の基本情報が公開されていない現状には微妙な苛立ちを禁じ得ない。