Jackie Stewart with the Beatles (2)

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(↑ありました。Fasterのピクチャーシングル。左は同曲収録アルバムのジャケ)

"Faster"の話をもう少し。

YouTubeのビデオを見てお分かりの通り、この曲はジャッキーとニキ・ラウダ(1975、77、84年のチャンピオン)、それにF1そのものからインスパイアされ、そして1978年イタリアGP決勝での事故が元で命を落とした(実際の死因は医療ミス)ロニー・ピーターソンに捧げられている。

Special Thanksが送られているジョディ・シェクターは1979年にFerrari移籍1年目でチャンピオンとなった南アフリカ出身の名手で、ビルヌーブ亡き後は(1982年5月8日ベルギーGP予選で落命)ずいぶんと彼の家族の面倒を見てあげたらしい。F1で初めて車番ゼロをつけて走ったのもシェクターだ。

この曲を含むジョージのアルバム、George Harrison(邦題は『慈愛の輝き』)が発表されたのは1979年2月のこと。従って“Faster”が作られたのはそれ以前(たぶん1978年)ということになる。

2004年に発売されたリマスター盤CD添付の解説によれば、ジョージは「1977年に何度もF1GPを見に行った。みんなから、"モータースポーツに関する曲を書くつもありはあるの?"と聞かれたが、当時はまったく曲作りをしていなくてね。みんなF1のギリギリの世界で仕事をしているのに自分は何もしていなかったから、ちょっと罪悪感を感じていた」らしい。

そんなジョージが一念発起して書き上げたのがこのFasterであり、そしてこのタイトルはほかでもない、ジャッキー・スチュワートの伝記本から拝借したものだった。

(次の記事へ続く)