HMV record shopに行ってみたわけだが

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過日、前から多少だが気になっていた(渋谷に今夏開店した)HMV record shopに行ってみた。

で、率直な感想としては、「狙っている客層は入門者? なの?」といったところ。
もっとHMVならではの底力のようなものを期待していたのだが、そういう感じではなかった。

そうした印象の理由を考えるに、
 1 店舗の広さのわりに、レコが少ない印象
 2 レコのコンディションがいまいち
 3 店員さんの応対がなんというかレコ初心者に接するような感じ
かな~。

1に関してはたとえばユニオン渋谷の数倍は広いのに、レコの充実度で負けている。手に取ってみて、ちょっとどうしようかなという思いがよぎるものがほぼ皆無。陳列の仕方もあいまって、なんだか殺風景というか、寒い感じが。1階奥には中古CDがあるのだが、なんだか暗い感じの陳列で見る気も起きなかった。

2は、妙に安めの中古レコが2~3枚あったので多少期待しつつ検盤したのだが、いやちょっとね、英国滞在時に現地のレコ屋ですらお目にかかれなかったくらい、どれもこれも相当な傷だらけでアウト。東京のレコ屋でこんなコンディションのは見たことがないな、というくらい。だから安いんですと言われればそれまでなのだが、なんというかね、逆に言ったら、じゃあそういう方向性のお店なのかと。通しでまともに再生すらできないようなレコを売ることが? 初心者に?

3はまあ親切でよかったんだけれど、明らかにおっさんの私にいわゆるドーナツ盤用のアダプターの説明をしはじめるあたりに、客を見る目がまだまだだなと。

あと、シングル盤について。ジャケが明らかにイギリスの小規模なレコ屋が使っていたものの流用というか、そのまんまの状態。白い厚紙のジャケにボールペンやマジックでタイトルなどを書き込んでいるやつ多数。

全体的な印象として、この店ならではのプレゼンができてないのではと。商材を右から左に流しているだけな印象。HMVというこの店ならではのフィルタリングがされていない。厳しい言い方をすれば、いわゆるクズレコを数だけ大量に出されても、それらを自分でソートするなんて時間の無駄でしかないという。

比較すると、たとえばユニオンはそこはやっているのかなと。質と量を両方できるだけ充実させることにより、わざわざやって来た客をなんとか納得させるぞ、という意気込み、そういう部分。

つまるところ、どうしてこのレコードを売りたいのか、あるいは、どうして今あえて新規に中古レコード店をやるのかというところの店側の意図や熱意が、現状ではすくなくとも私には伝わってこなかったかな。HMVの狙いはそこではなく、別の方向にあるのやもしれないが。