My Generation初のUK盤仕様モノラルCDを聞いてみた。(ボックスのSHM-CDではなく1枚もの通常CDの方/UICY6988)
インナーにジョン・アストリーによる“プロダクションノート”があり、興味深い。それによればこのCDはシェル・タルミーが所持していたモノマスターを使用している。
それをバーニー・グランドマンがデジタルに24/96でフラットトランスファーし、更にそれにアストレーがマスタリング作業を施した、と。
で、早速ながらClassic RecordsのMy Generation 200g(2006年発売)と比較してみた。Classic RecordsのHP(http://www.classicrecords.com/item.cfm?item=LAT%208616%2D200G%2DMONO)
によればこちらのLPもタルミーが所持していたモノマスターそのものを使用し、全てアナログ工程で制作した、と。つまり、字面を信じるなら、基本となるマスターテープは同一ということになる。
聞いてみると、CDの方が入力レベルが高いのでやや比較が難しいものの、音の感触は確かにお互いに非常に近いものがある。ただし明らかにCDの方がクラリティに優れるし、分離もよい。よいというか、分離がCDらしくクリア。逆に200gLPの方はアナログらしいややだんご気味の音像。
曲によっては、ややアナログの方がコンプレッションが強いのかなという感じがするものもある。特にThe Kids Are Alrightなど。だがLegal Matterなどのハイハットの透明感はLPの方がいい。CDはもっと太くて強い音。なので、けっこう曲によって甲乙(と言うか“好み”というか)バラバラかなという印象(あえてつければだが)。
当然と言えば当然ながら、LPの方はやはりアナログらしいやわらかさがある。それに対しCDはソリッドで骨太。The OxはCDの方がまっすぐ猪突猛進してくる感じで、LPはもっと砂埃をまき散らしながら少し離れた距離から走ってくる感じ(笑)。ちなみにアナログはクリス・ベルマン(Chris Bellman)のカッティング。
今回のCD版は全般的に重心の低いどっしり感がある。この芯の太い輪郭の明確な音はモノラルCDとしてはけっこういいかも。ボーナストラック12曲もいいし、聞き通したときの充実感もある。
また、今回改めて200g盤を聞き直してみて、このLPはかなりいい出来だということがわかったのもある意味収穫だった。